「教育訓練給付金」の申請方法は?実際に申請してみました。 その①

キャリアコンサルタント

最近「リスキリング」という言葉を耳にするようになりました。リスキリングとは、時代の変化に対応できるように、働く人材の能力をアップデートさせていくための学び直しのことをいいます。

学び直しと言っても何から手をつけて良いのか…どこから手をつけて良いか分かりませんよね。

そこで厚生労働省が大々的に行っていますが、ほとんど知られていない(?)制度からのアプローチが良いかと思いましたので、こちらで紹介していきます。

実際に申込までを行ってみましたので、わかりやすく解説していきます。

教育訓練給付制度とは?

労働者の主体的なスキルアップを支援する為、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練を受講・修了した人に対し、その費用の一部が支給される制度です。

対象となる教育訓練は、そのレベルなどに応じて3種類あります。

働きながらでも勉強してスキルアップしたい方にお金の面で支援しますよ~って制度なんです。

種類としては3つあります。

  1. 専門実践教育訓練 受講費用の70%の給付
  2. 特定一般教育訓練 受講費用の40%の給付
  3. 一般教育訓練   受講費用の20%の給付

これは対象の講座によって分けられるのですが、例えば大型自動車第一種・第2種免許などは2.の「特定一般教育訓練」に該当します。

今回私が受講するのが「キャリアコンサルタント養成講習」なので1.の「専門実践教育訓練」に該当します。

給付条件は?

条件としては、雇用保険の加入期間などがあります。こちらは正社員だけでなく、パート・アルバイト・派遣労働者の方も対象になります。

こちらは教育訓練給付をいままでに受けたことがある人、受けたことがない人で異なります。

今回は初めて給付で受講してみよう!という方の条件を詳しく書いていきます。

  • 受講開始日時点で在職中で雇用保険に加入している
  • 雇用保険の加入期間が1年以上ある

この条件を満たす方は、おめでとうございます!教育訓練給付が受けられます。

ところで自分が雇用保険に加入しているのか?していないのか?分からない場合はどうすればいいのでしょうか?実は簡単に分るんです。毎月の給料明細を見てみてください。

その中に、雇用保険料〇〇〇円とありますか?あれば雇用保険に加入しています。ほとんどの方は雇用保険に加入していると思いますので、給料明細を見てみてくださいね。

  • 受講開始時点で、離職していて1年以内である

おめでとうございます!教育訓練給付がうけられます。

  • 受講開始時点で、離職から1年経過している

残念ながらこちらの給付は受けられません…が、別の支援(求職者支援訓練)があるので安心してください。該当する方はハローワークに一度条件などを是非聞いてみてください。

まとめますと、以下の通りになります。

1.今の職場で1年以上働いている場合は給付OK

2.それ以外の人はハローワークに訪問・電話して教えてもらう

この制度を全て理解するのは難しいので1.以外の人はハローワークに直接聞くのが最良だと思います。

給付手続きは?

こちらでは具体的に給付の手続きを解説していきます。

1.専門実践教育訓練 2.特定一般教育訓練と

3.一般教育訓練では給付手続きが異なります。

実際に申し込んだ1.専門実践教育訓練の給付手続きについて解説していきます。

(2.特定一般教育訓練も同様の手続きです)

  • 訓練前キャリアコンサルティングを受ける
  • 受給資格を確認する
  • 講座の受講・修了
  • 支給申請

このような流れで進んでいきます。

私の場合は、手続きの流れを知る前に「キャリアコンサルタント養成講座」を受講したい!と思ったので時間が無く、焦って調べながら進みました。この時点では皆さまは時間的に余裕もあると思うので、じっくり計画的に進められるのではないでしょうか。

バタバタで受講・給付申し込みました

見出しにあるように実際バタバタでの申込みでした。

なので抜け漏れ放題でしたが、皆さまの申請の参考になるかと思いましたので恥ずかしながらもそのまま記述しております。

以前からメンタル強化・傾聴などに興味があり真面目に勉強したいと思っているところ「キャリアコンサルタント養成講座」というものがあることを知りました。

受講開始が4/20、オンライン説明会が3/12(土)でした。そこで初めて給付金制度があることを知りました。

しかも受講1か月前までに給付申請を済ませなければいけないと知ったんです。

期限は4/20の1か月前の3/20なので、この時点で1週間程度しか時間がありません。

こちらの講座ですが受講には約30万円かかるので正直なところ迷っていたのですが、給付金制度を利用すれば10万円くらいで済むと分かりました。

これは絶対給付金制度を利用して受講するぞ!ドーパミンが出たのが分かりました(笑)

まずはハローワークにTEL

オンライン説明を受けた土曜、日曜はハローワークはお休みなので、平日月曜日にハローワークに電話しました。

自分の住んでいる管轄のハローワークに電話しました。自分の管轄のハローワークを調べるのは簡単です。

「〇〇市 管轄 ハローワーク」と検索すると該当のハローワークが表示されますよ。

さっそく電話をしました。「給付金制度を利用したいのですが、専門的な教育訓練の…」

この時点で「専門実践教育訓練給付金制度」って全然覚えれなくてあやふやで問い合わせてます。

「それでしたらキャリアコンサルタント面談を受けてもらいます。担当が委託機関になるのでこちらに電話してください。」と電話番号を教えられ、その番号に電話をしました。

電話をすると訓練前キャリアコンサルティングの面談日程を決めることになりました。日付は3/18(金)に決まりました。ハローワークは平日のみなので、有給休暇を急いで申請しました。

4/20から講座がスタート、1か月前までに給付申請必要、面談が3/18なのでギリギリセーフ!かなり綱渡りです。

訓練前キャリアコンサルティングとは?

3/18(金)14:30~訓練前キャリアコンサルティングの面談を受けました。

面談前にしておかなければいけないことが1つあります。

それは「ジョブ・カード」というものを作成・印刷して持参するんです。

ちょっとめんどくさそうですよね。でも、これを作ると今後の自分の将来に役に立つようなんです。

ジョブ・カードとは?

「ジョブ・カード」とは個人のキャリアアップや、多様な人材の円滑な就職等を促進することを目的とした「生涯を通じたキャリア・プランニング」及び「職業能力照明」のツールです。

職業生活の節目やキャリアコンサルティングを受けるタイミングなどで作成したり、書き加えることで、自身のキャリア形成の履歴を生涯にわたって蓄積できます。

「ジョブ・カード」は以下の3つの書式からなります。

  1. キャリア・プランシート
  2. 職務経歴シート
  3. 職業能力証明シート

これらの書式は以下リンク先からダウンロードが可能です。

ジョブ・カードhttps://jobcard.mhlw.go.jp/job_card.html

リンク先ページ

このようにPDF形式、Excel形式、記入例などがあるので参考にして下さい。

さて、「ジョブ・カード」果たしてどれだけの人が知っているのでしょうか…。

自分の経歴や価値観を知るためには、かなり良いものだとも感じました。

いっぽう知名度が低く(?)そして作るのも面倒くさそうでな感じが…。

私も訓練前キャリアコンサルティングが無ければ絶対に作らなかったと思います。

給付金をもらう為なので是非頑張って作ってみてください。

実際の面談のようす

「ジョブ・カード」頑張って作成しました。

作成してプリントアウトしたものを持って面談を受けるんです。

面談はコーチングのような形で1時間30分ほどの時間です。

面談を終えた後は、かなり充実した時間だったと感じました。

実際に個人でこのような面談をすると費用ってどれくらいですか?と聞いたら指を3本立てて教えてくれました。3万円…個人では出せないですね。

なので自分の経歴をコーチングによって明らかにしてもらえて無料で面談をしてもらえる。

とても良い制度なので、もっとみんなに知ってもらって活用されればよいなと感じました。

「ジョブ・カード」を作成して持参したのですが、どんな面談なのかの予備知識はゼロです。

予約した時間が14:30、終わった時間が16:00。まさかこんなにしっかり面談されるとは思っていませんでした。

面談してくれるは国家資格「キャリアコンサルタント」の方です。

まずは「ジョブ・カード」を提出し、その書類を見ながら面談を進めて行きます。

さすがはキャリアコンサルタントだけあって話のリードが上手で大変話しやすいんです。

場をリラックスさせるためのアイスブレイク(本題に入る前の簡単な日常会話)を終えた後、本題に入ります。

以下のような質問をいくつか投げかけられました。

「職業訓練給付金申請を受けたことがありますか?」

「なぜこの講座の給付金を申請しようと思ったのですか?」

「資格試験はいつありますか?」

「何ヶ月くらい講座はあるんですか?」

「この講座を今の仕事にどう生かせそうですか?」

などなど、かなり沢山の質問を受けるんですね。

何を知りたかったんだろうと自分なりに後から振り返りましたが、こういうことじゃないかなと思います。

「この人が本当に真面目に受講して、自分のキャリアに生かせるのかどうか。何となく受講してみようということではなく目的を持って受講するるのかどうか。」

この点を重視して見極めるんだと思いました。ただそんなに恐れることは無いんです。

その理由なのですが資格試験がいつ実施されるか質問されましたが答えがあいまいでして、

「1月くらいですかね~?いや12月だったような…。」そんな感じでした。

でも講座については本気で勉強したいと思っていましたので素直に伝えました。

やっぱり本気で思ってることは伝わるんですね。細かいことより全体を通して「講座受講がその人にとって意味のあることになるのか」ということを見てくれるんだと思います。

講座についての質問もひと通り終わり「ジョブ・カード」について更に質問されます。

「いまはどんな仕事をされているんですか?」

「転職経験があるようですが、前の会社と同じような仕事ですか?」

「仕事で大変なことはありますか?」

「5年後は同じ仕事をしてるでしょうか?違う仕事をしてるでしょうか?」

いままでの仕事を振り返る会話です。

質問を受ける中で、あらためて気づきが喚起されることが2点ありました。

「5年後は同じ仕事をしてるでしょうか?5年後は娘さんの進学などもありますよね。その時はおいくつになりますか?その時に転職はできると考えますか?」

というような会話があり先の将来のことを具体的にイメージしながら話を進めました。

なかなか自分では考えないことを質問してくれるので「はっ!」と思わさせてくれます。

もう1点は「仕事で大変なこともあったと思いますが、どんなことがありましたか?」

これについては2018年のものすごい台風で商品が遅れてどうしようもなかった件を話しました。

「でも今となっては、そこまで悩むこと無かったし、いい経験になったと思ってます」

その会話を受けてキャリアコンサルタントの方の返しがこうでした。

「そのような大変な出来事があったら、逃げ出したくなる人もいるんでしょうが、大変な事について真摯に向き合ったんですね。さらには大変な出来事を【良い経験になった】と前向きに捉えられるんですね…。大変な出来事は必ず起こるのですが物事の捉え方で生き方が変わってきます。」

おぉ褒められた~これは単純に嬉しかったんですね。自分で気づかないことを言葉にして返してくれるんです。その後は調子に乗ってどんどん大変エピソードを話しました。

給付金を申請しに行ったのですが、それだけでなく有意義な面談を意図せずに受けることができました。

面談のあとはテンションも上がり、今後の講座に対する意欲と給付金を目指して頑張ろう!という気持ちになりました。

キャリアコンサルタントの方は話をしっかり聞いてくれます。プロなので当たり前と言えば当たり前ですが、パソコンを打ち込んで書類を作成しながらでもションさんが話し出すとこちらの目をみてしっかり話を聞いてますよ~と対応してくれます。

これは傾聴の技術であり、とても学びになるな~と感じました。人の話をしっかり聞く姿勢です。

人は人の話をさえぎって自分の話をしがちなんですが、微塵もありません。目の前の人との会話に集中して、しっかり寄り添いながら話を聞くこと。

まさにこの日に面談してくれた人が「国家資格キャリアコンサルタント」の方でした。

面談最後にはキャリアコンサルタントの資格免許カードを掲げながら激励してくれました。

「何か月後には、この資格をもって活躍できるように一緒にがんばりましょう」

このような感じで面接は終わりました。

この面談でキャリアコンサルタントの方が「ジョブ・カード」に面談内容を記入してくれます。

「キャリアコンサルティング実施証明書」と「ジョブ・カード」に割り印を押してくれてます。

これで晴れて「ジョブ・カード」が完成します。この書類は給付申請に必須なので大切に取っておきましょう。

面談後の申請手順とは?

さてこれで一番の難関の「訓練前キャリアコンサルティング」を終了して、あとは給付申請するだけになります。

最後に必要な書類等を以下にまとめました。

  1. 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
  2. 訓練前キャリアコンサルティングを受け作成した「ジョブ・カード」
  3. 本人・住居書確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類
  4. 雇用保険被保険者証(コピーでOK)
  5. 写真2枚(最近の写真、正面上半身、縦3cm×横2.5cm)
  6. 給付金を受け取る記入機関の通帳またはキャッシュカード

けっこうありますよね…頑張りましょう、もうちょっとです。自分の居住地の管轄のハローワークに提出して終了です。

1.の書類はハローワークにてもらうことができますので、訓練前キャリアコンサルティングを受けてそのまま窓口でもらって申請するのが良いのかなと思います。

なので2.~6.の書類を予め準備してハローワークにいくのが良いかもしれません。

こちらの申請ですが、郵送でも行うことができるんです。

郵送に至った、もうひとエピソードがありますので紹介します。

郵送でも給付金の申請ができます

訓練前キャリアコンサルティングを終えて「ジョブ・カード」を完成することができました。

その日は満足して家に帰ったんですね。帰ったというか最後の申請をせずに帰ってしまったといった方が良いかもしれません。

本来前述したようにハローワーク給付課に「給付金の申請書類」を提出して終わりなのですが、情けないことにそのまま帰宅してしまったんです。

何日か経って「これで給付金が振り込まれるのかな…でも銀行の口座番号書類とか提出して無いし…」

もう一度申請の書類をよく見直しました。やはり訓練前キャリアコンサルティングを受けただけでは給付申請は終了されていない!ということが分かりました…。

わざわざハローワークまで行って面談してもらったんですが、給付申請書類を提出せずに帰宅するという失態です。あぁ情けない…。しかも気づいたのが3/21。開講が4/20なので1か月切っております。

終わった…。いや、最難関の訓練前キャリアコンサルティング面談は終えてるし、勘違いして書類出してません!ていえば何とかなるかなと…。ハローワークに電話することにしました。

すると担当の方ですが「1ケ月切ってますけど、それはあくまでも目安なので大丈夫ですよ~」

やった~、何とか大丈夫そうです。厚かましくもこのように聞いてみました。

「ちなみにハローワークに行って、申請書類提出しないとダメですよね?」

「郵送でも申請できますので、書類をご自宅に送るので住所を教えてもらえますか?」

郵送でも受け付けてもらえるんです。こんなことは一言も書いてませんでしたが大丈夫なんです。

3月12日からバタバタでスタートした給付金申請の様子ですが、参考になりましたでしょうか。

自分の至らなさ具合をさらけ出すのは恥ずかしいのですが皆さまの役になれば幸いです。

4月24日から「キャリアコンサルタント養成講座」がスタートします。

その様子も今後記述してまいります。

是非ともご覧いただけたら幸いです。

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